定期健康診断項目
身長、体重、BMI、血圧、尿(蛋白・潜血・糖)、視力、聴力(会話域)、胸部X線撮影、内科診察
<基準値>
項目 | A異常なし | B軽度異常 | C要再検査・生活改善 | D要精密検査・治療 | |
体格指数(BMI) kg/m2 | 18.5-24.9 | 18.4以下、25.0以上 | |||
血圧 mmHg | 収縮期 | 129以下 | 130-139 | 140-159 | 160以上 |
拡張期 | 84以下 | 85-89 | 90-99 | 100以上 | |
視力 | 1.0以上 | 0.7-0.9 | 0.6以下 | ||
尿蛋白 | (ー) | (±) | (+) | (2+)以上 | |
尿潜血 | (ー) | (±) | (+) | (2+)以上 | |
尿糖 | (ー) | (±)以上 |
日本人間ドック・予防医療学会参考https://www.ningen-dock.jp/other_inspection/
※保健管理室での精密検査に呼ばれていない学生に関しては生活習慣に気をつけ、必ず1年後の健康診断を受けるようにしてください。血圧に関しては自己測定してください。
※気になるようなことがあれば保健管理室に連絡してください。
<BMIとは>
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定などに用いられる。
体格を表す指標として国際的に用いられている指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます(身長はcmではなくmで計算します)。BMIチェックツールでも算出できます。
計算方法は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なり、WHO(世界保健機構)の基準では30以上を”Obese”(肥満)としています。一方、日本人は欧米人よりもBMIが平均的に低いことが特徴であり、日本肥満学会の基準では25以上を肥満と定義しています。肥満だけでは治療の対象とはならず、治療が必要な「肥満症」とは区別されます。また、18.5未満は「低体重」(やせ)に分類されます。
厚生労働省e-ヘルスネット参考https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary
<血圧とは>
血液は心臓のポンプ作用によって全身に送り出されています。血圧とは、血液が流れることによって血管の内壁にかかる圧力のことをいいます。心臓に溜まった血液は、心臓が収縮することで勢いよく血管へ送り出されます。このときの血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」といいます。そして、全身から戻ってきた血液で心臓が拡張したときの血圧を「拡張期血圧(最低血圧)」といいます。
高血圧は、心筋梗塞・脳卒中を招く動脈硬化や腎臓病等の発症に関与しています。そこで血圧検査では、手動式や電子式の血圧計で上腕部を測定することで、高血圧(または低血圧)の有無を調べ、異常がないかを知る手がかりとします。

※収縮期血圧と拡張期血圧が異なる分類に属する場合は,高いほうの分類に組み入れる
基準値から外れた場合に考えられる病気
高血圧症 動脈硬化症 心疾患 脳卒中
全国健康保険協会参考https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4020/
<尿蛋白とは>
尿蛋白は、尿に含まれるたんぱく質です。腎臓は、血液からたんぱく質など必要なものを再吸収したのち、尿を作り、体内に生じた不要な物質・老廃物・過剰な塩分の排泄などをしています。通常、尿に尿蛋白はほとんど排出されませんが、極めて微量のたんぱく質が含まれます。しかし、腎臓病などのさまざまな障害により、通常より多くのたんぱく質が尿中に現れることがあります。
そこで、この量を調べることが腎機能障害などを見つける手がかりになります。半定量検査とは、尿中に含まれるたんぱく質の量について、おおよその程度を調べる検査です。検査は採取した尿に試薬や試験紙を使い、変色具合で判定します。試薬や試験紙の色が変わらなければ「陰性」、異常なしとされます。
検査結果に異常がみられる場合に考えられる病気
腎臓病(慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症など) その他尿路の感染症・結石 溶血性貧血
<尿潜血とは>
尿の通り道となる腎臓や尿管、膀胱や尿道などのどこかに出血があると尿中に血液が混ざります。尿潜血は、尿中の肉眼では確認できない血液を検出する検査です。
検査は、尿蛋白同様、採取した尿を使い、試験紙の変色具合で判定されます。色が変わらなければ「陰性」、異常なしです。「陽性」となった場合は、尿沈渣で尿中の赤血球数を調べます。
検査結果に異常がみられる場合に考えられる病気
腎臓・尿路系の炎症・結石・腫瘍 溶血性貧血など血液の病気 性器出血
<尿糖とは>
腎臓は、血液からブドウ糖などをろ過して、再吸収しています。そのため、通常は尿中に糖は出てきませんが、血糖値がかなり高い場合、腎臓での処理が追いつかず、尿中に糖(尿糖)が出ることがあります。また、稀に再吸収が障害され尿に糖が出ることもあり、これを腎性糖尿病といいます。
そこで、尿糖を調べることが糖尿病などを見つける手がかりになります。
検査は採取した尿に試験紙を使い、紙の変色具合で判定します。色が変わらなければ「陰性」となり、異常なしですが、「陽性」となった場合は糖尿病が疑われます。
検査結果に異常がみられる場合に考えられる病気
糖尿病 腎性糖尿病
全国健康保険協会参考https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4020/
<胸部X線検査とは>
胸部X線検査では、肺や気管支などの呼吸器のほか、心臓や縦隔、胸膜などの病変を調べることができます。
検査は、胸部X線診断装置のフィルム部分に胸部を押しあて、息を深く吸った状態で止めたところで背後からX線を照射して撮影します。肺は黒っぽく、骨格や心臓などは白っぽく映ります。医師は映し出された異常な陰影の様子からどんな病気かを疑います。
例えば、不整な円形の白い影は肺がんなど、また、境界がはっきりしない不明瞭な白い影は肺炎や肺結核、気管支炎などが疑われます。自然気胸では、肺の縮んだ様子が映ります。
検査結果に異常がみられる場合に考えられる病気
肺炎 肺結核 肺がん 肺気腫 気管支炎 気管支拡張症 気胸 胸膜炎
全国健康保険協会参考https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4020/